教授挨拶
岡山大学学術研究院医歯薬学域
心臓血管外科
教授
岡山大学大学院医歯薬学総合研究科 心臓血管外科講座の第3代教授を拝命いたしました笠原真悟です。我々の心臓血管外科は平成3(1991)年に第二外科より独立し、古元嘉昭教授が第1代教授に就任されました。平成5(1993)年には佐野俊二教授が第2代教授として24年間という長きにわたって、牽引されました。
私は岡山大学に赴任いたしまして、18年が経過致しました。この間に約5年間のオーストラリア、ニュージーランドでの海外留学を経験させていただき、小児循環器医、麻酔科医、新生児科医、看護師、パラメディカルなどのチーム医療を実践できたことが、多くの手術経験とともに貴重な財産となりました。2005年4月に帰局後に前任の佐野教授(現 カルフォルニア大学サンフランシスコ校 小児心臓血管外科教授)とともに行なった、140例以上の左心低形成症候群の治療、年間全症例の30%以上が新生児症例、年間30-40例の単心室の機能的根治術であるフォンタン手術は、岡山大学が特に秀でた分野であります。
一方で小児先天性心疾患の治療成績の向上から、多くの患者様が成人になる比率が高くなりました。これにより、成人先天性心疾患患者数の急激な増加と年齢の高齢化にともなって、これまでの診療体制での維持は困難になってきました。そこで成人先天性心疾患センターが国立大学で初めて設立されました。成人先天性心疾患は、心機能の直結した問題や、医学的な全身臓器の問題のみならず、就職、結婚、妊娠、出産、社会保障と多岐多様な問題を持っております。循環器内科、小児科、心臓血管外科のみならず、肝臓内科、腎臓内科、歯科、精神科、看護部が積極的に集い、1ヶ月に1回の症例検討会を行っております。この会を通じて適正な時期に手術治療が受けられ、また術後の外来診療が整備されました。
岡山大学心臓血管外科は全国に22施設の関連施設があり、その多くの施設は成人心疾患および血管外科施設であります。これらの施設を統合するために岡山大学病院群心臓血管外科専門医プログラム委員会を設立いたしました。この会では、小児のみならず、成人心臓血管外科、血管外科といった公平性のある人材育成を可視化することを主眼にしております。この委員会を活用することで若手外科医の全人的な育成を達成することで、教室をさらに大きくし、次の3〜5年で他施設と勝負できる基盤作りをしたいと考えております。さらに新専門医制度を見据えた適切な成人心臓血管外科教育プログラムの構築も同門の協力を得ながら、皆で行う予定です。
最後に医局運営に関してですが、全てを科長が一人で行うということは困難であると思います。臨床、教育、研究に秀でたスタッフからのサポートのもと、全員一丸となって運営するとともに、岡山大学の1研究科として携わっていきたいと考えております。
教室沿革
施設概要
※必要に応じて、循環器内科、腎臓内科、救急科等の他診療科とベッド共用
手術件数
国内有数の小児心臓血管外科ユニットとして多くの手術を手掛けています。 成人心臓血管外科チームでは、複雑な併存症を有する難易度の高い手術が多いことが特徴のひとつです。
高難度手術
年々増加
心臓血管手術症例数
医局員紹介
明るく活発なチームの仲間をご紹介します。 他診療科やコメディカルとのつながりも深い当科は、豊かな人間性とチームワークを重視しています。
スタッフ紹介を見る協力し合う環境
豊かな人格形成
幅広いネットワーク
個人の発展
医局ニュース
不定期でどんどん情報upしていきます。お楽しみに!
第1回 活動報告 クラウドファンディング開始のご報告と御礼/First Activity Report: Crowdfunding Launch Report and Thanks
クラウドファンディング開始のお知らせ/Announcement of Crowdfunding Campaign Launch
今月末をもって当科を離れる先生方/Doctors leaving our department at the end of this month
AAPCHS 2025(バリ島)に参加してきました!/Participated in AAPCHS 2025 (Bali)!
第32回岡山心臓血管外科カンファレンス/第8回 Okayama CVS Boot Camp 開催のご報告と御礼/Report and Thanks for the 32nd Okayama Cardiovascular Surgery Conference and 8th Okayama CVS Boot Camp